アプリケ とは、土台となる布地の上に、図案の形に切った別布をのせて刺繍やミシンで縫いつけたもの。私達は、アプリケのテクニックと様々な布を使って独自のデザインを創作します。何年もかけて集められた豊富な素材。色々な形に切った布を徐々に並べながら形を仕上げていきます。そして、最後にミシン刺繍で表面を豊かに飾りつけて完成させます。 作品には、どこか素朴さと同時に、貴重さを感じさせるものがあります。
特別な、思いがけない出会いというものがある。
ある日二人の共通語であるテキスタイルに導かれ、コリーヌと エロディは一本の道を辿り始める。それは互いの秘密を与え合い、他者の素晴らしさに向かって開かれた幸運の道だ。
隠れた家、花が咲き乱れた庭、二人のアトリエにはアーティストが作品の中で生きる、そんな場所の魅力がある。
色分けされて積み重ねられた布の脇に美しい陶製の彫刻が置かれ、オレンジの花の微かな香りとクミンの匂いが混じり合って漂う部屋に私たちは迎えられる。
コリーヌとエロディはあらゆる布を絹のように扱う。
作品は忍耐強く長い時間をかけ、細心の注意を払って作り上げられる。
彼女たちは静寂の中で仕事をする。繊維自身がここ、向こう、そして他所のことを語る。
彼女たちは幾度となく繰り返し作品に手を入れて仕上げていく。彼女たちのイマジネーションと同じくらい軽やかな手つきで思考しながら布に触れ、裁つ。
装飾の誘惑に負けないために高級な素材を求めず、日々の暮らしの中で使い込まれた質素な布を再利用する。それらはモロッコの旅の思い出やブルターニュの日の出、幸せな笑顔に満ちたナガサキを語る。
布たちは経験したこと、過去の重みを抱えていて、一輪のアネモネのようにシンプルな人生を表現する。
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